自作PCサーバーを新環境にしてから約4カ月が経ちました。
結果的に、消費電力および電気代はどうなったのか? をまとめます。
目次
はじめに
昨今(2022年)の電気代値上げに伴い、このまま電気代で消えるぐらいなら自作PCサーバーをより低消費電力、高性能、大容量にしたいと計画し、8月に新環境の運用を開始しました。
開始時点で、1日あたり 40Wh*24=960Wh、一ヵ月あたり 960Wh*30=28,800Wh=28.8KWhの消費電力低減を見積もっており、電気代に換算すると一ヵ月あたり約1,000円の削減を見込んでいました。
運用開始から約4ヵ月が経ちましたが、結果的にどうなったのかをまとめておきます。
以下は、私が契約している電力会社およびプランでの話であり、違う電力会社や違うプランでの契約では当てはまらない場合がありますのでご了承ください。
消費電力
私の環境では、既にスマートメーターになっており、電力会社のWebページに必要事項を登録していれば、最短翌日には電気の使用量を確認することができます。
こういう「見える化」はとてもありがたく、なにかの計画(今回は自作PCサーバーの省電力化)を実行するときの問題点や結果などのエビデンス(証拠や根拠)に利用可能です。
上記の図の「12月」は、「12月請求分」であり、実際には11月8日~12月6日までの29日間の電気使用量の未確定な速報値であり、1月~11月の請求分は確定値となります。
ピンク線が「前年(2021年)」の実績を表しています。
なお、青線の「似た家庭」は、自作PCサーバーを24時間365日稼働しているものはほぼほぼ含まれないと思いますので、気にしないでください。
私の電気の使い方は、日によっても、月によっても、年によってもバラツキがありますが、今年の1月から8月の請求分(棒グラフ)からも分かるように、前年の実績より多めになっていました。
これに電気代の高騰も加わるのですから、このまま何もしないと電気代に消えるだけと思い、自作PCサーバーのパーツの更新に踏み切りました。
自作PCサーバーを新環境に移行して、運用開始を始めたのが8月10日頃であり、9月請求分からとなります。
9~12月請求分は図で分かる通り、前年の実績より明らかに電気使用量が減っているのが分かります。
細かい各月のデータはここでは省略しますが、このように、電気使用量の低減は成功していることが確認できます。
電気料金
電気使用量の低減は成功しましたが、電気料金はどうなったのでしょうか?
図のように、1~8月請求分と比べれば、9~12月請求分の方が、前年との差が縮まっていますが、前年よりまだ高い状況です。
実データは省略しますが、2021年1月請求分と2022年9月請求分で、1KWhあたり10円以上値段がアップしています。
月に約200KWh使っているだけで約2,000円のアップとなります。(200KWh以上なら価格もそれに比例する)
月に約30KWh/約1,000円の削減をしても、追いつきません。
この値段アップ分は、「燃料調整費」と言う部分が影響しており、2021年1月請求分が1KWhあたり-5.20円だったのが、2022年9月請求分が+5.13円であり、9月以降の10~12月請求分は+5.13円のままで、この価格が現在(執筆時点)の限界値のようです。
しかしながら、個人的にできる別の省電力化は既に実施済みです。
蛍光灯をLEDのものに変える、必要のない電気は消すなどはすでにやりつくしています。
さらに追い打ちで、2023年春(4月頃)にはさらに電気代が上がりそうです。
執筆時点ではまだ私の地域の電力会社は申請してないようですが、確実に限界突破の申請をするでしょう。
それでも、月に約30KWh/約1,000円の削減の効果は無駄ではありません。
政府の電気代支援策(2023/01/18追記)
政府の電気代支援策、23年1月から 平均的な家庭で月1820円安く にあるように、2月請求分(1/7~2/6使用分)から9月請求分まで1KWhあたり7円安くなるようです。
ただし、10月請求分は1KWhあたり3.5円になるようです。
しかし、6月(4月:下記参照:2023/01/24修正)に電気代値上げの申請が出されているので、それが通れば相殺されてしまうようです。
東京電力の規制料金値上げ申請等について(2023/01/24追記)
私は、Twitter @dratech2020 のプロフィールで公開しているように東京電力管内です。
2023/1/23に東京電力から、規制料金値上げ申請等について が発表され、6/1から電気料金値上げとなる申請がされました。(申請であり認可されたわけではありません)
値上げは契約しているプランにより異なります。
規制料金値上げ申請等について にある “別紙2:電気料金単価表” に各プラン毎にまとめられています。
これまでの値上げは、燃料費調整によるものでしたが、今回のものは、電気の利用料ごとの単価が上がります。
また、注意していただきたいのは、この表の冒頭に”2023 年 1 月分の燃料費調整単価を加算した単価となります“とあることです。
上記の「政府の電気代支援策」にあるように、2月から10月の請求分は支援があり、”2023 年 1 月分の燃料費調整単価を加算した単価となります“とはまた違った値になります。
(例えば、別紙2の”現行料金”が料金単価表‐電灯(従来からの料金プラン) などと”燃料費調整単価”分違う)
さらに、10月請求分より後は支援が打ち切られる可能性もあり、電気代の単価が上がったままとなる可能性があります。
10月請求分までは大きく変わらなかったが、その後大きく変わる可能性がありますので注意が必要です。
ただし、そのころの燃料費調整の単価が安くなっていればその分相殺されるはずではありますが…。
最後に
あくまでも個人的意見ですが、高性能で低消費電力なものに置き換えできるのなら、今(2022年末~2023年初頭)が古い電気製品(PCなど含む)の買い替えのチャンスだと思います。
2023年の春には、地域にもよりますが電気代がさらに約20%~40%程上がる申請がされています。
普通に暮らしているつもりで、今のまま古い機器を使っても電気代が高くなるだけです。
であれば、電気代で消える分を少しでも高性能で低消費電力の新しいものに置き換えた方がお得です。
もちろん、それにはカタログやデータシートをきちんとみて見積もりや見込みを立てて実施する必要があります。
自作PCサーバーを24時間365日稼働させているケースは少ないと思いますので、一般家庭では冷蔵庫が一番の候補でしょうか?
新しいもので低消費電力のものがありましたら、検討してみてはどうでしょうか?
今回、プログラミング言語による、プログラムソースコード(プログラムの元となる命令)の記述(コーディング)は行っていませんが、このようなシステム設計もプログラマーの仕事の一つです。
要件定義(省電力化など)、調査(カタログやデータシートなどのスペックから)、設計(dGPU→iGPU交換、HDD交換、SATA拡張カード交換などの計画)、実施、テスト/検証(エンハンスバグが無いか、性能は要求を満たしているかなど)、結果確認(消費電力と電気料金)と、このようにプログラム設計と何ら変わらない手順を実際に行っています。
「自作PCサーバーの消費電力を約40W削減した話」の一連の記事が何かの参考になれば幸いです。
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